こんにちはオヤジートレーナーです。
2月になり野球界もいよいよ春季キャンプが始まりました。トレーナーにとっても大変な時期です。選手がケガをして離脱しないように体のケアをする選手が多くなるからです。
今回は投手の故障やケガをしないために、トレーナー目線でのピッチングを見る際の注意点を教えます。投手の一連の動作を分割することでその投手のフォームを直したり、ケガを防ぐために注意すべき点や、ケガをした際にどのフェーズで起こっているのかによってケガの治療すべき点が分かります。
・基本的な投球動作の5つのフェーズ
①ワインドアップ期 ②前期コッキング期 ③後期コッキング期 ④加速期 ⑤フォロースルー期
に分けられます。
5つのフェーズを細かく説明します。
①ワインドアップ期 :セットポジションからステップ脚(踏み出し脚)を最大挙上するまで。
②前期コッキング期 :ステップ脚の最大挙上から、脚を踏み出しステップ脚が接地するまで。
③後期コッキング期 :ステップ脚が接地してから、投球側の肩関節が最大外旋するまで
④加速期 :肩関節最大外旋から投球方向に加速し、ボールをリリースするまで。
⑤フォロースルー期 :ボールをリリースして以降、減速動作を行い、投球動作が終了するまで。
このように各フェーズが理解できると投球障害の原因やフォームの修正点などをコーチや選手と話しやすくなります。
・トレーナーが見ている各フェーズの簡単な注意点
ワインドアップ期
・セットに入った時の姿勢、下半身と体幹に力が入っていること。しっかり立てているか。
・ステップ脚を上げ軸脚立ちの際にふらついたりせずにしっかり軸足に重心が乗っているか。
前期コッキング期
・ワインドアップ期の軸脚立ちから重心を落とした際に軸脚に力が溜まっているか。
後期コッキング期
・ステップ脚が着地し腰を回旋させながら背骨がしっかりと反れるているか。
・腰を回旋する際にステップ脚が外旋せずに内旋方向に力が入ってくるか。
加速期
・ステップ脚に重心がしっかり乗ってこれるか。
・肩甲骨がしっかり外転し胸郭から離れるようになっているか。
フォロースルー期
・投球側の肩甲骨が外転し前方移動しながら肩関節が内旋,内転してくるか。
・トレーナーが見ている重要フェーズ
これらの5つのフェーズの中で最も重要視している部分が2つあります。
ワインドアップ期と前期コッキングです。
この2つのフェーズがしっかりしていないと肩肘の障害、ケガが多くなります。
それぞれのフェーズで説明していきます。
ワインドアップ期
—マウンドに立った時の姿勢—
下半身が安定し重心がしっかりと乗り、体幹に力が入り体に軸ができていることを確認します。
これらをだすためには足趾で地面を掴むことです。自然体で立った時に足趾に力が入り地面を掴むことで大腿の内転筋群に力が入り、そうすることで下半身の安定が生まれてきます。下半身の安定ができることで体幹に力が入ります。体幹に力が入るというのは下腹部に力が入ることです。体幹に力が入ることで体の軸ができてきます。軸ができるということは体の中心線に力が入ってきます。
足趾を使い地面を掴むことができなければ、体幹にも力が入らず軸もできてきません。
—軸脚立ちになったときに—
軸脚立ちの際にも足趾が使えなければ下半身の筋肉全体を使えず股関節のみで安定を出そうとします。足趾が使えれば脚全体を使い足関節,膝,股関節が使え軸脚立ちの安定がでます。
前期コッキング期
私が最も注視するフェーズです。
軸脚からステップ脚に体重移動するために、体重心を下げ軸脚に力を溜め、その力を使い自分のタイミング(間)で地面を蹴り体重移動をすることが重要です
しかし、重心を下げる際に軸脚の力が抜けてしまうことがあります。特にこの時注意するのは膝です。
軸脚立ちから体重移動するために重心を下げます。その重心を下げるために下半身を使います。足首,膝,股関節を曲げることで重心を下げ軸脚に力を溜めます。その力で地面を蹴って体重移動をします。その地面を蹴る力が抜けてしまうことで本来、自分のタイミング(間)での体重移動ができず、後期コッキング期以降全てのフェーズでほんの少しだけタイミングのズレが生じます。自分のタイミング(間)での体重移動ができないことで生じるズレを後期コッキング期以降の動きの中で体は勝手に修正します。そのため本来かかる負荷以上の負荷が肩、肘、また腰、股関節などいろいろな部位にかかり、それが障害の要因になることが多いです。
このようになる原因の一つに足首の可動域が正常に出ていないことが多いです。特に足関節の背屈制限が少しでもあると、足趾を充分に使えず軸脚に力を溜めずらくなり、軸脚が不安定になることで重心を下げた時の膝に溜まるはずの力が抜けてしまうので、自分のタイミング(間)での蹴りができないということです。
この2つのフェーズをオヤジートレーナーは大切にしています。もし、肘,肩などの障害を繰り返す選手はこの2つのフェーズがしっかりできているかを確認してください。
逆に言えばこの2つのフェーズがしっかりしていれば投球障害を防げることができます。また、パフォーマンスの向上にもつながります。
今後も現場トレーナーの仕事を通じて、皆さんに役立つ情報を提供していきたいと思いますので、コメントよろしくお願いします。質問や聞きたいことがあればお問い合わせからよろしくお願いします。
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