ピッチャーのアイシングは必要?part1

こんにちはオヤジートレーナーです。
今回は『ピッチャーが試合後やピッチング練習後に行う「アイシング」って必要ですか』ということについてです。

よく質問されるのは
1)プロ野球のピッチャーが投げた後にアイシングをしてますが、アイシングはしたほうがいいのですか?
2)アイシングはどうやってやればいいのか?
3)アイシングする時間はどのくらいですか?

これらの質問を選手や父兄の方にされました。

アイシングは必要or必要でない?

アイシングの目的って何?

オヤジーがアイシングをする目的は
「肩、肘の状態を早く元の状態に戻すための一つの方法としてです。」

要するに、投げた後は肘,肩の関節可動域は減ったり、ハリ感があったり、痛みが出ていたりします。

 これらは筋肉の過収縮により筋肉が伸び難くなっているし、靭帯は炎症が起きているのかわかりませんが、実際に肘、肩の関節周りが硬くなっています。また筋肉やその周辺組織における痛みは硬くなったり伸びにくくなることで起きています。

 この状態から早く元の状態(リカバリー)に戻してあげるための方法の1つとしてアイシング用いています。しかし必ずしもアイシングをするわけではありません。

 アイシングをしなくても他の方法でリカバリーができるのであればアイシングをする必要はありません。ストレッチでもいいし、ダウンのキャッチボール、柔軟体操、マッサージ、鍼灸、微弱電流、マッサージクリームなど、方法は何でも構いません。他の方法でリカバリーができればアイシングをしなくてもをいいと思います。

要するにアイシングの目的はあくまでもリカバリーの一つの手段にすぎない。

 選手によっても練習量や球数、疲労度や局所の痛みによってもアイシングをするときもあれば、しないときもあります。要するにその時の状態によって決めています。

アイシングの効果は?

アイシングをすることでどういった効果があるかというと、

ざっくり言うと
1)神経伝達・伝導の阻害2)代謝の抑制3)代謝産物の処理4)痛みの軽減 5)血管収縮 6)疲労回復

オヤジーなりの説明として
冷却によって
1)神経伝達・伝導の阻害
神経の伝導・伝達阻害は運動指令の伝わりを阻害することで、随意,反射にかかわらず筋の収縮を抑制することができます。
筋肉が収縮するのは神経からの命令によって起こります。それが意識的なのか、反射的なのかによります。

2)代謝の抑制
筋肉の代謝にかかわる酵素の活性を抑制することで代謝の抑制につながる。また、筋収縮の抑制は余分なエネルギー消費や代謝産物(乳酸等)の産生が抑制される

3)代謝産物の処理
運動後の過剰な発汗を抑制し、脱水それに伴う電解質の損失最小限にとどめる。

4)痛みの軽減
神経伝達・伝導が阻害されることで痛覚,知覚情報の中枢への信号も抑制され、筋肉の収縮も抑制するので、痛みと緊張の双方に働きかけるため、痛みの軽減につながる。

5)血管収縮
血管収縮は血流を減少させ、血管の透過性も低くするために血漿成分の浸出を抑制することで浮腫を抑える。

6)疲労回復
冷却による血管収縮の後に生じる血管拡張は、冷却が循環の改善を生むという理論からです。
筋温が上がり過ぎていることで、疲労感、倦怠感、ストレスを誘発する。適正な範囲の筋温に戻すことで循環を良くし疲労物質の除去を助けます。

これらの説明で分かったでしょうか?

結論 アイシングはリカバリーのための一つの方法手段であり、アイシングをうまく利用すれば、リカバリー効果は十分に発揮できる。

アイシングの方法

実際のアイシングは

・氷嚢
アイシングには布製氷嚢,ゴム製氷嚢やジップロックを使用します。

これは選手によって皮膚感覚や寒冷刺激に対する過敏度が違うので氷嚢を使い分けています。寒冷刺激に弱い人であれば布製氷嚢を使い、寒冷刺激に強い人はジップロックなどでやっています。

氷で氷嚢を作る際に注意してほしいことがあります。
①なるべく平らにすること。
②氷嚢内の空気をできる限り抜くこと

そうすることで体に密着しやすくなり、冷やしたい患部をしっかりアイシングできるからです。空気が入たり、平だないとアイシング途中で氷が解けてきた時に体に密着しなくなったり、ずれて冷やしたい患部にアイシングができなくなります。

アイシング時間は

アイシングの時間ですが基本的に12分以内でやるようにしています。使用する氷嚢によっても違うので目安を説明します。

① アイシング直後は寒冷刺激による強い冷却感があります。
②その後、強い冷却感が痛みに代わります。(それは我慢してもらう)
③痛みが次第に薄れ感覚が麻痺してきます。その後寒冷起因による血管拡張作用が起こりと、アイシングが気持ちよくなってきます。それを感じたら終了です。

使用する氷嚢や個人差によって時間は多少違いますが、大体12分以内です。早い人であれば6分くらいで気持ちよくなります。

アイシングの注意点

冷却作用が過剰にならないように配慮しなければなりません。

・血行障害
もともと血行障害を持った人である場合は、必要以上に血液の供給を阻害してしまう可能性がある。
・凍傷
使用する氷の温度が低すぎたり、適用時間が長すぎる場合は凍傷の恐れがある
・低体温
これは広い面積の冷却や長い時間冷却する場合に気を付けることです。局所ではあまり見られませんが全身の低体温に配慮する必要があります。特に冬季、強風、降雨などの環境下では体温が奪われやすい。

・寒冷刺激による過敏症

超重要アイシング後

ここでアイシングだけで終わってしまうのが1番よくありません。アイシング経験のある人は解ると思います。アイシング後は局所の動きが鈍く,固まっています。しかし冷却効果で血液循環などのいい状態になってもいます。

アイシング終了後は筋緊張による反射の抑制があり、除痛効果もあるので、その間にストレッチを必ずおこないます。ゆっくりとストレッチをすることで普通のストレッチよりも効果が大きいです。その後柔軟体操を入れるとさらに効果的です。
これにより可動域は戻り、筋肉の過収縮もなくハリで固くなった部位は温かく感じ、また運動時痛も減ります。

これだけでリカバリーが完全ではありませんが、有効的なリカバリーの一つとして実際にオヤジーはやっています。

またストレッチをするときはアイシンした部位以外もストレッチするといいです。これは相互作用によって筋肉も動くからです。

最後にアイシングはリカバリーとして効果的ですが、適度な冷却温度,時間などを注意することで日々のケガの予防,ケアにもつながります。

皆さんの身体の疑問、質問を答えていきたいと思いますのでお問い合わせからご連絡お願いします。

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