トレーナーからプロ野球を目指す選手へ

こんにちは、オヤジートレーナーです。
2021年10月11日 今年もドラフトの季節が来ました。
ドラフトで毎年80名前後の選手がプロ野球の世界に入ってきます。
逆に同じくらいの人数の選手がプロ野球界を去っていきます。

プロ野球選手になることを夢見て練習している野球少年たちに一言アドバイスをしておきます。
夢のある世界ですが、一方逆もある世界です。夢のある選手になってほしいので夢のある世界を支える立場の一言です。

プロ野球選手になるということは

職業=プロ野球選手。この職業を十年以上できる人はほんの少しです。早ければ2、3年でこの職業を辞める人もいます。高校卒業でプロ野球になって2,3年で首になれば二十歳そこそこで無職になるということです。まだできると本人が思っていても球団から必要とされなければ首ということです。

 私が裏方の立場でこの世界を見ていて、プロ野球の世界で長くプレーするには野球の技術をあげることが重要ですが、「自分をマネージメントする能力」を身に着けることが重要だと思います。
プロ野球選手は一人の経営者です。
自分自身を客観的に分析し、自分の長所,短所 を正確に把握しておくこと、そしてチームに何を求められているのか、球団がどういう選手となってほしいのかを細かく自分で分析することが必要だと思います。細かく分析したうえでどうすればいいか?を自分で考えてプロデュースすることが重要だということです。

 プロ野球の世界はみな能力が高い人ばかりです。その中で今活躍している選手と競争し、そして勝たないと生き残れない世界です。
いかに自分をプロディースするか。自分で頭を使ってオフの日もオフシーズンも考えて生活しないとほかの人には勝てない世界です。入団する時、プロ野球選手である間は本当にちやほやされます。ちやほやされ勘違いする選手がたくさんいます。勘違いしたままだとあっという間にプロ野球生活は終わります。終わる時はあっけないですよ。ちやほやしてくれた人たちもあっという間にいなくなります。

プロ野球選手になることをゴールにはしないで下さい。

プロとアマの違いは

プロとアマの違いの一つは、

お金を貰ってやる野球と、お金を払ってやる野球

 です。
【お金を貰ってやる野球】はNPBや社会人野球です。社会人野球はアマチュアですが給料をもらって野球をしています(基本的に企業に雇われて野球をすることで給料を貰っています)。
【お金を払ってやる野球】は、高校野球や大学野球です(特待生として学費を払っていないケースもありますが)。

もう一つの大きな違いは“意識の違い”です。

 プロと学生の一番の違いを感じたのは野球に対しての“意識の違い”でした。学生はただ練習をしている感じです。
例えばバッティング練習を見ても学生は気持ちよく打っている感じ。要するにただバッティングをしているだけに感じる。自分の欠点を治すとかタイミングを変えるとか工夫が何もないだよな~、1試合の中で自分の理想のスイングで打てることが何回あるか?ほぼない方が多いよ。タイミングを外されたりとかで自分のスイングができないことが多いのにそういう練習はまずしない。意識することでいくらでも工夫することができます。
ピッチャーも同じことが言えます。ただ球数を多く投げるだけやいいボールを投げることをに一生懸命でバッターを全然想定していない。
 全部の練習に意味がないわけではないけれど、「練習のための練習」 が多い。

プロに入ってから“意識すること”をするようにしてもすぐにはできないし意識するレベルが低い選手が多い。普段からしてこなかったからどう“意識”すればいいのか解らない感じです。
意識とは考えるということで、考えるから工夫が生まれ。工夫をするから技術が上がる。
プロ野球で活躍するには“考える”これを練習してください。

井の中の蛙。

 ドラフトの時期になると新聞等で「大型左腕」、「右の本格派」、「左の大砲」、「高校ナンバースラッガー」「大学ナンバーワン」
などの記事を見るようになります。実際にドラフト候補の選手だから能力があるはずです。しかし本当にそうなのか?私はそれほど記事を信じてはいません。それはマスコミが一般の方向けに話題性を集めるために書いているから。また、スカウトもマスコミに対して選手を持ち上げているだけで、選手がマイナスになることは言いません。そんなに良くなかったとしても絶対にマイナスことは言いません。いろいろ大人の事情もあるわけですから。
 実際プロに入って天狗になっていた鼻を折られ、シーズンが始まって初めて自分が井の中の蛙だったと気づくということです。ただ決してその選手に能力がないわけではありません。ただレベルの低いところでプレーしていたため粗さや雑さが目立たなかっただけです。
 その粗さや雑さを消しプレーの質を上げることが井の中から抜け出せる方法です。

 厳しいことを言ってきましたが、プロの世界は夢のある世界です。結果を出せばガッチリ稼ぐこともできます。逆に結果を出せず考えなければサラリーマンよりも低い給料しか貰えずあっという間に戦力外になります。

プロ野球を目指す選手にはプロ野球に入ることを目標とせずにプロ野球で活躍することを目標にしてください。
そのために 【分析・気づき・考え・工夫し・実行】をしてみてください。

今年のドラフトが楽しみです。

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